未来23-010

テーマ:あなたの日頃のコミュニケーションの得意な所、苦手な所
    ~外来での学びを振り返って~

【はじめに】

新型コロナウイルス感染症が拡大している状況下において、外来では発熱外来を設置して、一般の患者とは分けて診療を行っていた。発熱外来ではガウン、フェイスシールド、手袋、N-95マスクを使用した個人防護具対応を起こっているため、アサーティブコミュニケーションが難しい状況であった。高齢者との関わりの場面で、高齢患者との日頃のコミュニケーションでは目を見る、目線を合わせる、話を聞く、話をするなど実践している。

発熱外来では、さらに、ガウン、N-95マスク、フェイスシールド、手袋を着用しており、顔がわかりにくい状況であり、目を見る、目線を合わせる、話を聞く、話をすることが難しい状況があった。その結果、アサーティブコミュニケーションが活用されていなかったと考える。アサーティブコミュニケーションとはお互いを尊重しながら意見を交わすコミュニケーションのことであり、発熱外来の基準を一方的に説明すると、患者からは受け入れられない結果となってしまう可能性がある。また、いつもとは違う雰囲気に患者は戸惑いと不安を感じると考える。

一般外来で検査説明をする時などには、相手が何を思っているのかしっかりと確認し、できるだけ相手の意見を確認したため良好なコミュニケーションを築くことができる考える。アサーティブコミュニケーションは、アサーティブの4つの柱である「誠実」、「率直」、「対等」、「自己責任」に基づくコミュニケーションがとれるようにすることである。アサーティブコミュニケーションの起源は、1948年に発表された、アンドリュー・ソルター著の「条件反射両方」にあるとされている。1960年~1970年代のアメリカでは、黒人差別に対する運動や女性の権利を求める運動において、どのように自分の主張をしていくか研究され、結果、アサーティブコミュニケーションが発達した。アサーティブコミュニケーションの「アサーティブ」は、英語で「Assertiveness」表記される。「Assertiveness」とは「断言的な」「言い張る」と言った意味の英語である。アサーティブコミュニケーションは、行動療法における「Assertiveness」に由来しており、相手と対等に接しながら自らの考えをしっかりと表現することである。

高齢者は理解力が低下しており、目を見る、目線を合わせる、話を聞く、話をするという日常的な基本的なコミュニケーションを丁寧に実践していきたいと思う。

今後、外来看護を実践するにあたり、アサーティブコミュニケーションを取り入れ、患者の言葉に出せない気持ちを聞くスキルを高めるとともに、表現力や自己主張に磨きをかけていきたいと考える。

<参考文献>

  • 白岩 千恵子(介護老人保健施設サンライフ倉敷 通所リハビリテーション),小藪 智子,竹田 恵子 川崎医療福祉学会誌(0917-4605)30巻2号 Page615-621(2021.02)

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