未来24-012

新型コロナウイルス感染症の部屋隔離法について

【はじめに】

 20219年12月に新型コロナウイルス感染症が発症し、3年半の長いパンデミックを経験し、2023年5月8日より新型コロナウイルス感染症は2類から5類に整備された。2024年現在(2月)、東京都では第10波の感染が流行している。今後もこうした流行期が定期的に到来することが懸念される中、医療現場では、個人情報の保護、患者の人権擁護に配慮した感染対策が求められている。そこで当院における、感染対策緩和や患者家族などの面会について、試行錯誤を繰り返している取組みについて紹介する。

【入院患者の対応】

コロナウイルス感染症対策は、主に飛沫感染予防策を中心に実施する。感染対策の基本は標準予防策であり、手指衛生の励行を徹底強化している

  • 発症日を0日とし、5日間はカーテンを閉めて対応する。リハビリ実施指示があれば、病室内で実施してもらう。6日目以降は、リハビリ室(病室外)でのリハビリを可能とする。
  • 10日間は感染対策が必要であり、患者さんにはサージカルマスクを着用してもらう。
  • ネーザルハイフローを実施する患者は、個室で定期的に窓を開けて喚気を行い、10日間扉を閉めることを徹底する。
  • 掲示については、部屋入口の患者ネーム表示部分に黄色のビニールテープで感染対策解除日を記載する(〇日まで)。大部屋の場合は、最後に隔離解除する患者に準じる。
  • 吸引などのエアロゾル発生への対応時にはN95マスクを装着する。
  • 濃厚接触者・家族の面会については、標準予防策を遵守し、体調不良がなければ面会できるように配慮する。
経路別に感染予防策を色分け
  • 青色:空気感染予防策
  • 黄色:飛沫感染予防策
  • 赤色:接触感染予防策
<参考文献>
  1. CDC Guideline for hand hygiene in health-care settings,2002
  2. 医療機関向け情報(治療ガイドライン、臨床研究など)|厚生労働省 (mhlw.go.jp) 新型コロナウイルス感染症診療の手引き第10.0版

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